淫行条例

以前たばこに関して各自治体が定める上乗せ条例(受動喫煙防止条例)の問題点について書きましたが、今回は同じ上乗せ条例である淫行条例について書きたいと思います。

そもそも上乗せ条例とは国の法律を上回る規制を各自治体が条例として定めるものです。

東京都や埼玉県が制定した受動喫煙防止条例では、国の法律(健康増進法)では禁止されていない場所での喫煙も制限しており、法律とのあいだでダブルスタンダードが発生している状況です。これは当該地域の住民に大きな混乱をもたらします。

淫行条例もこの上乗せ条例の問題点が分かりやすい事例のひとつです。

淫行条例(青少年保護育成条例)は現在すべての都道府県で制定されており、条例の内容を簡単に説明すると、18歳未満の男女との淫行(みだらな性行為)を規制する内容です。

なんだ当然の内容じゃないか。と思われるかもしれませんが、問題点は、この条例が各都道府県で内容が微妙に違うところです。

まず勘違いしてもらいたくないのは、青少年に対する強姦などはそもそも条例に関係なく違法です。強制性交等罪などの犯罪になります。これらの条例で規制しているのは国の法律では違法にならないことです。国の法律で違法とされていないから、わざわざ自治体が条例で規制しているわけです。すでに違法なら条例をつくる必要はないです。

この淫行条例では互いが同意の上での性行為も違反とされます。両者が「真摯な交際関係」の上での性行為であったと考えていても、親が警察に告発し、それが淫行に当たると判断されて逮捕されるケースもあります。淫行かどうかを判断するのは当事者ではなく警察です。また、この条例では青少年同士の淫行も条例違反になります。

しかし女性の場合16歳から結婚できるわけです。そのような年齢の青少年による、両者の自由意思に基づく性的行為をも条例によって一切禁止とするのは明らかに公権力による不当な干渉です。

ということで、威迫・欺罔などによる淫行や金銭目的の売買春(援助交際など)のみを規制の対象とする自治体もあります。

一方で福岡県では、青少年に対し「淫行又はわいせつな行為を教え、又は見せてはならない」という、いくらでも拡大解釈可能な条文があったりします。

つまり自治体によって規制の内容も罰則もぜんぜんバラバラなわけです。

ある県では条例違反にならないことでも、別の県では二年以下の懲役なんてことになるんです。これが上乗せ条例の問題点です。

国の法律と比べて内容が曖昧でわかりにくく、しかも県によって内容が違う。国民を著しく混乱させるだけです。

自治体独自の上乗せ条例の制定などはやめて、国が統一した内容の法整備をしっかりと行っていくべきだと思います。


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